SynologyNASのファンを予備購入|純正じゃないとエラーが出る理由と価格高騰の背景

① はじめに

自宅でSynologyのNASを運用し始めて、気づけば現在は3台目になっています。

この間、ハードディスクの交換やDSMのアップデートなどは経験しましたが、ファンが原因でNASが停止したことは一度もありませんでした。そのため「ファンはそうそう壊れないもの」という認識でいました。

ところが最近、NASを取り巻く環境が変わり、「念のため予備を持っておこう」と考えるようになりました。実際に購入しようとしたところ、価格の大幅な上昇や、過去の失敗体験が思い起こされましたので、今回はその経緯をまとめてみました。

② NASをより止められない環境になった

以前はNASに保存していたデータは、写真や動画などのメディアファイルが中心でした。万が一NASが止まっても「しばらく見られないだけ」と割り切れる状況でした。

しかし現在は状況が変わっています。OneDriveで管理していたデータをすべてNASに移行し、さらにWordPressのブログデータもNAS上のWeb StationとMariaDBで稼働させています。つまり、NASが止まると以下がすべて使えなくなります。

  • ブログ(ara-garage.com)の閲覧・更新
  • すぐに必要なファイルへのアクセス
  • 日常的に参照する各種データ

「壊れたら買えばいい」では済まない状況になったため、消耗品であるファンについても予備を持つ方針に切り替えました。

③ 予備ファンを購入しようとして気づいた価格上昇

現在使っているDS725+向けの純正ファン「FAN_92x92x25_1(92mm・25mm厚)」をAmazonで確認したところ、¥2,871という価格でした。

以前DS225+用に購入した際は同じ型番のファンが¥1,700でしたので、約70%もの値上がりです。

 Amazonへのリンク

💰 価格比較

2025年5月(DS225+時):¥1,700
2026年5月(DS725+用):¥2,871(約70%増)

この値上がりには、主に3つの要因が考えられます。

円安の影響
Synologyは台湾メーカーです。2024〜2025年にかけての大幅な円安により、台湾ドル建てのパーツを円換算すると価格が上がる構造になっています。

米国の台湾関税の波及
2025年に米国が台湾製品に対して高い関税を課す方針を示したことで、グローバルなサプライチェーンを通じて日本向け価格にも影響が出ています。

Synologyのパーツ戦略
純正スペアパーツは代替品が少なく、メーカー側が価格設定の主導権を持ちやすい商品です。本体価格と同様に、パーツ価格も全体的に上昇傾向にあります。

④ 汎用の3ピンファンではエラーが出た経験

過去の交換時に「92mm・25mm厚・3ピン」という仕様が同じ汎用ファンを試したことがありました。見た目はほぼ同じで、物理的に取り付けることもできました。

ところがDSMからファンエラーの通知が止まらず、結局純正を買い直すことになりました。なぜ同じ3ピンでも動かないのでしょうか。

原因は「形状は同じでも電気的な仕様が異なる」ことにあります。

原因 内容
タコメーターのパルス数 1回転あたりのパルス数が純正と違うと、DSMが読む回転数が実際の半分や倍になり、閾値判定がズレます
最低RPMの差 静音タイプの汎用品は1200〜1500 RPMが多いですが、DSMの監視閾値は機種ごとに設定されており、下回るとエラーになります
電圧制御の応答差 DSMが電圧を下げて低ノイズモードに切り替えた際、汎用ファンは起動最低電圧が高く、回転が止まったり不安定になったりします
スピンアップ時間 電源投入直後のスピンアップが純正より遅いと、DSMが「停止」と判定して即エラーを発報します

Synologyの純正ファンはこれらすべての特性がDSMの監視仕様に合わせて設計されています。「3ピンで同じサイズ」という条件だけでは互換性の判断には不十分でした。

⑤ 純正ファンを買い直した結論

過去の失敗を踏まえ、今回は最初から純正品を選びました。

純正ファンの型番と対応機種は、Synology公式の「スペアパーツ検索ページ」で確認できます。製品名(例:DS725+)を入力すると対応するファンの型番が表示されますので、購入前に必ず確認することをおすすめします。

✅ 純正ファン確認手順

  1. Synology公式サイト「スペアパーツ」ページにアクセス
  2. 製品名(DS725+ など)で検索
  3. 「ファン」カテゴリで型番を確認して購入

価格は上がっていましたが、汎用品で失敗した経験を考えると、最初から純正を選ぶほうが結果的にコストも手間も少なくなります。

⑥ まとめ

今回の経験で感じたポイントを整理しました。

  • NASにブログやクラウドデータを集約するほど、停止リスクへの備えが重要になる
  • ファンは長寿命だからこそ、壊れる前に予備を持つのが安心
  • 純正ファンは価格が上がっているが、汎用品で失敗するリスクを考えると純正一択
  • 同じ3ピン・同サイズでも、タコメーター仕様や電圧特性が違えばDSMはエラーを出す

NASの運用は「壊れてから対処する」より「壊れる前に備える」スタンスのほうが、ストレスなく長く使い続けられると実感しています。

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