SynologyNASとOneDriveで作るデータ保護の3層構造

はじめに:NASを中心としたデータ管理の考え方

自宅にSynology NASを設置してからというもの、データの管理は大きく変わりました。MacやiPadからどこでもアクセスでき、家族間での共有も簡単。クラウドサービスに頼り切らなくても、自分でデータを管理できる安心感があります。

ただし、NASはあくまでも物理的なハードウェアです。故障やトラブルが起きる可能性はゼロではありません。そこで今回は、NASを正とした上でOneDriveをバックアップ先とする仕組みを構築しました。

Synology Driveとは

Synology Driveは、NAS内のデータにアクセスするためのSynology純正アプリです。MacやiPadにクライアントアプリをインストールすることで、NAS内のフォルダをFinderやファイルアプリから直接操作できます。

Google DriveやDropboxのような感覚で使えるのが特徴で、自分のNASがクラウドストレージのように機能します。データの主権を自分で持ちながら、利便性も確保できる点が気に入っています。

NASダウン時のリスクと対策の必要性

NASが何らかの理由でダウンした場合、Synology Drive経由でのアクセスはできなくなります。過去に実際にDSMやSurveillance Stationが突然アクセス不能になった経験もあり、物理障害のリスクは常に念頭に置いておく必要があります。

そこで、NAS内のデータをOneDriveへ自動的にバックアップする仕組みを導入することにしました。NASが正常な時はSynology Driveを使い、万一の時はOneDriveからファイルを取り出せる、という二重構造です。

Cloud SyncでOneDriveへの一方通行バックアップを設定する

Synology NASには「Cloud Sync」というパッケージが用意されており、OneDriveやGoogle Driveなど各種クラウドサービスとの同期が可能です。今回はOneDriveへの一方通行(NAS→OneDrive)でのバックアップ設定を行いました。

基本的な流れは以下のとおりです。

  1. DSMでCloud Syncを開き、「+」からOneDriveアカウントを追加
  2. ローカルパスとして同期したい親フォルダ(homes/tsuyoshi)を指定
  3. 「フォルダ」タブで同期対象のフォルダのみチェックを入れる
  4. 同期方向を「ローカルの変更をリモートに同期」(一方通行)に設定

設定時のつまずきポイントと解決策

タスクは1アカウントにつき1つの制限

Cloud Syncでは、同一のOneDriveアカウントに対してタスクは1つしか作成できません。複数のフォルダをバックアップしたい場合、別々のタスクを作ろうとしても「作成」ボタンがグレーアウトして押せません。解決策は、ローカルパスを対象フォルダの親ディレクトリに指定し、「フォルダ」タブで対象フォルダのみチェックを入れる方法です。

ローカルパスは親フォルダを指定してフォルダタブで絞り込む

ローカルパスの選択画面では、バックアップしたい複数フォルダの一段上の親フォルダを選択します。その後「フォルダ」タブで必要なフォルダだけにチェックを入れることで、不要なフォルダを除外できます。

暗号化の要否判断

Cloud Sync設定時に暗号化を選択できます。暗号化すると復号用のキーファイルが生成され、別途安全な場所に保管する必要があります。また、NAS故障時にOneDriveから直接ファイルを開くことができず、Synology環境を経由しなければなりません。

個人のOneDriveアカウントで自分だけがアクセスする環境であれば、暗号化なしの方が管理がシンプルです。今回は暗号化なしで設定しました。

個人用Vaultは削除不可だが同期対象から外せる

OneDrive内の「個人用Vault」はMicrosoftの仕様上、削除できない固定フォルダです。ただしCloud Syncの「フォルダ」タブでチェックを外せば同期対象から除外できるため、実害はありません。

まとめ:データ保護の3層構造

今回の設定により、以下の3層でデータを保護する体制が整いました。

  • 通常時:Synology DriveでNAS内データに快適アクセス
  • NASがダウンした時:OneDriveから直接ファイルを取り出す
  • NASが完全故障・データ破損した時:Hyper Backupから復旧。ただしHyper Backupは独自形式で保存されているため、別のPCにHyper Backup Explorerをインストールしてファイルを取り出す必要がある

NASを中心に置きながら、クラウドと外付けHDDを組み合わせた冗長構成。少し手間はかかりましたが、これで安心してデータを管理できる環境が整いました。

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