Panasonic感震ブレーカーBQX702の取り付け|設置条件と手順、実際の地震での作動まで

自宅の分電盤に、パナソニックの感震ブレーカー「BQX702」を取り付けました。地震の揺れを感知すると自動で主幹ブレーカを落とし、復電時の通電火災を防ぐための装置です。

取り付けから約1か月半後の2026年8月23日未明には、実際の地震でこの感震ブレーカーが作動しました。この記事では、取り付けできる条件の確認から作業の流れ、遮断時間の設定、そして実際に作動したときの様子までをまとめています。導入を検討されている方の参考になれば幸いです。

BQX702とはどんな製品か

BQX702は、パナソニック製の住宅分電盤「コンパクト21」専用の感震ブレーカーです。分岐ブレーカーと同じ1回路分のスペースに、後から追加できます。

震度5強相当以上の揺れを感知すると、表示灯の点滅とブザーで知らせ、設定時間の経過後に主幹漏電ブレーカを遮断します。本体が直接電気を切るのではなく、「擬似漏電」を発生させて主幹の漏電ブレーカを動作させるしくみです。そのため、主幹が漏電ブレーカであることが取り付けの前提になります。

目的は、地震による停電のあと電気が戻ったときに起こる「通電火災」を防ぐことです。倒れた電気ストーブが可燃物に触れたまま復電する、傷んだ配線がショートする、といった出火を、家全体の電気の元を断つことで防ぎます。

取り付けできる条件を確認する

購入前に、まず自宅の分電盤に取り付けできるかを確認します。パナソニックのよくあるご質問では、次の条件をすべて満たす場合に設置できるとされています。

  • パナソニック製の単相3線式住宅分電盤「コンパクト21」であること
  • 分岐回路に1回路分の空きスペースがあること
  • 主幹ブレーカがABF型(BJF品番)の漏電ブレーカであること
  • 漏電ブレーカのテストボタンで、正常に動作することを確認できていること

一方で、他社製の分電盤や、黒色のHB型安全ブレーカタイプの分電盤には取り付けできません。また、パナソニックの「プラスばん」も、同じ盤内に主幹漏電ブレーカがないため取り付けできないとされています。

わが家は以前に分岐ブレーカーを交換したことがあり、そのときの空きスペースをそのまま使えました。空きがない場合は、分岐回路の整理から検討することになります。

なお、取り付けには電気工事士の資格が必要です。後述のとおり主幹ブレーカの1次側を扱う作業がありますので、資格をお持ちでない場合は電気工事店に依頼してください。製品は2万円弱で購入しました。

取り付け手順

準備:家中の機器を止める

作業中は主幹を切るため、家全体が停電します。パソコンやレコーダーは事前に終了し、NASもシャットダウンしておきます。UPSにつないでいる機器も、作業前に停止しておくと安心です。

主幹を切り、カバーを外す

主幹ブレーカをOFFにしてから、分電盤の前面カバーを外します。空きスペースにスペーサーが付いている場合は、ここで取り外します。

BQX702取り付け前にカバーを外した分電

本体を空きスペースに押し込む

BQX702は、分岐ブレーカーと同じ要領で空きスペースに押し込んで取り付けます。この工程に工具は不要で、すぐに終わりました。

擬似漏電出力線を主幹1次側に共締めする

地震を感知したことを主幹に伝えるための「擬似漏電出力線」を、主幹ブレーカ1次側のN相端子に共締めします。本体側はコネクタで着脱できる構造です。

ここが最も注意の必要な工程です。主幹ブレーカをOFFにしても、1次側(引込み線側)は充電されたままです。絶縁された工具を使い、端子は確実に締め付けてください。

BQX702の擬似漏電出力線を主幹1次側に共締めした状

カバーを戻して通電する

配線を確認したらカバーを戻し、主幹ブレーカをONにします。BQX702の電源表示灯が点灯すれば、通電は正常です。

BQX702を取り付けて通電した分電盤

取り付け後の設定と確認

BQX702には、揺れを感知してから遮断するまでの時間を選ぶスイッチがあり、「即時」と「3分」から選べます。工場出荷時は3分に設定されています。

  • 3分:遮断までの間は照明が使えるため、夜間でも避難経路を確保しやすい。一方、その間は通電が続く
  • 即時:通電火災のリスクを最小にできる。一方、夜間は突然真っ暗になる

就寝中の地震で暗闇の中を動くほうが危ないと考え、わが家は3分を選びました。

このほか、本体が15度以上傾くと家屋倒壊と判断して約10秒後に遮断する機能や、設定時間の途中で停電した場合に、復電と同時に遮断する機能も備えているとされています。設置後は、施工説明書に沿って動作確認を行います。

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実際の地震で作動した|2026年8月23日

2026年8月23日の午前2時頃、埼玉で大きな揺れがありました。ニュースで確認すると震度5弱で、不安になるような揺れ方でした。被害はなく、もう一度寝ようとしたところで、ブザー音が鳴っていることに気づきました。

これが3分設定の警報音でした。「このままだと主幹を落とします」という知らせです。解除ボタンを押そうとライトを探しているうちに時間切れとなり、主幹ブレーカが遮断されました。取り付け当初は、この小さな本体で本当に揺れを感知できるのかと思っていましたが、それが実証された形です。

作動条件は震度5強相当とされていますが、発表される震度は観測点での値です。自宅の揺れ方や分電盤の設置場所によって、本体が感知する揺れは異なるものと考えられます。

主幹が落ちたことで、給湯器やエアコンなどWi-Fiにつないでいた機器は再設定が必要になりました。一方、NASはUPSから給電され、止まることなく運転を続けていました。この経験から、次の点を備えておくとよいと感じました。

  • 枕元に懐中電灯を置いておく
  • 解除ボタンの位置を家族で共有しておく
  • Wi-Fi機器の再設定方法を確認しておく

注意点とよくある質問

Q. 他社製の分電盤にも付けられますか

BQX702はコンパクト21専用のため、取り付けできません。他社製の分電盤では、そのメーカーの感震機能付き製品や、別方式の感震ブレーカーを検討することになります。

Q. パソコンやNASがある家での注意点は

パナソニックは、医療機器や防犯機器、パソコン・サーバーなどの情報機器がある場合、遮断されない回路の用意や無停電電源装置の準備を勧めています。わが家では前述のとおり、UPSによってNASの運転を継続できました。

Q. 交換時期はありますか

使用開始から約10年で、表示灯の点滅とブザーで交換時期を知らせる機能があるとされています。防災設備ですので、この時期を目安に交換を考えておきます。

まとめ

BQX702は、条件さえ合えば分電盤の空きスペースに後付けでき、作業自体も短時間で終わります。ただし主幹ブレーカの1次側を扱うため、電気工事士の資格が必要です。

実際に作動してみて、小さな本体でも確かに揺れを感知できることが分かりました。同時に、深夜に作動したときの明かりや、復旧後の機器の再設定まで考えておくことが大切だと感じました。通電火災への備えの一つとして、検討してみる価値のある装置です。