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2台持ちの「気づかない問題」
会社から支給されたスマホを持つ方にとって、2台持ちは日常のことです。
しかし会社をでた後はモバイルSuicaなど使用のため私有のスマホをメインとし、社給のスマホはかばんの中に。このとき着信があっても気付かないことがあります。
重要な連絡を見逃してしまうリスクが、2台持ち運用の現実的な課題です。
この問題を、iPhoneに標準搭載されているショートカットアプリとMMIコードを組み合わせることで、ワンタッチで解決できます。
解決策:着信転送をワンタッチで切り替える
社給スマホにかかってきた電話を、自分のiPhoneに自動的に転送する設定です。ポイントは次の2点です。
- 社給スマホ側でMMIコードを発信するだけで転送が開始・解除できる
- ショートカットアプリを使えばその操作をホーム画面のワンタップで行える
キャリアへの申し込みや月額オプションは不要です。社給スマホがau・ドコモ・ソフトバンク回線であれば、同じ手順で利用できます。
MMIコードとは何か
MMI(Man-Machine Interface)コードとは、スマートフォンの電話アプリからキャリアネットワークに直接命令を送るための特殊な文字列です。
国際標準規格である3GPP TS 22.030で定められており、日本国内のキャリアを問わず、GSM/LTE/5G対応端末であれば共通して動作します。
コードの構造は以下のようになっています。
操作記号には次の種類があります。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| ** | 登録+有効化(Register + Activate) |
| ## | 無効化+消去(Deactivate + Erase) |
| *# | 現在の設定を照会(Interrogate) |
サービスコード 21 は「無条件転送(CFU)」、61 は「無応答時転送(CFNRy)」を意味します。
**21と**61の使い分け
転送の動作が異なるため、場面に応じて使い分けることができます。
| コード | 転送条件 | 社給スマホの動作 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| **21 | 無条件(全着信) | 一切鳴らない | 終日かばんにしまっておきたいとき |
| **61 | 一定時間無応答のとき | 数秒間は鳴る | 手が届く場所にあるが取れないとき |
解除コードはそれぞれ ##21#・##61# です。設定と解除のサービスコードは必ず揃える必要があります。
なお、すべての転送設定をまとめて解除したい場合は ##002# を発信すると一括消去できます。
ショートカットアプリでワンタッチ化する手順
iPhoneのショートカットアプリを使い、MMIコードを1タップで発信できるようにします。作成するショートカットは計4つです。
使用するURLの形式
| 操作 | ショートカット用URL |
|---|---|
| **21 設定 | tel:**21*転送先番号%23 |
| **21 解除 | tel:%23%2321%23 |
| **61 設定 | tel:**61*転送先番号%23 |
| **61 解除 | tel:%23%2361%23 |
「転送先番号」にはハイフンなしで自分のiPhoneの番号を入力します(例:tel:**21*09012345678%23)。
ショートカットの作成手順(4つ共通)
- ショートカットアプリを開き、右上の 「+」 をタップ
- 「アクションを追加」 → 検索欄に 「URL」 と入力 → 「URLを開く」 を選択
- URLフィールドに上記の表のURLを入力
- 右上の 「…」 → 「名前を変更」 で名前をつける
名前の例として 📞 全転送ON・📵 全転送OFF・🔔 無応答転送ON・🔕 無応答転送OFF のように絵文字をつけると視認性が上がります。
動作確認
ショートカットをタップした後、画面上部にチェックマークが表示されPhoneアプリが起動し、ネットワークから設定完了の応答が返ってくれば成功です。
無応答転送の呼び出し時間について
auの無応答転送(**61)の呼び出し時間は、初期設定で24秒です。5秒〜55秒の範囲で変更することができます。
変更したい場合は特番 1418XX(XXが秒数)に発信します。
| 設定したい秒数 | 発信する番号 |
|---|---|
| 5秒 | 14185 |
| 15秒 | 141815 |
| 24秒(初期設定) | 141824 |
| 30秒 | 141830 |
| 55秒(最長) | 141855 |
なお、iOS 18以降では「ライブ留守番電話」がデフォルトでオンになっています。**61を確実に動作させるには、「設定」→「電話」→「ライブ留守番電話」をオフにしておくことをおすすめします。
%23と書く理由:URLエンコードとは
MMIコードの末尾には # が必要ですが、ショートカットのURLフィールドに # をそのまま入力することができません。
URLの仕様では # は「ページ内アンカー(フラグメント識別子)」の区切り文字として予約されており、それ以降の文字列は破棄されてしまうためです。
この問題を解決するのがURLエンコードです。RFC 3986(URLの国際標準仕様)では、特殊文字をASCIIコードの16進数で %XX の形式に変換して表現します。# のASCIIコードは16進数で 23 なので %23 となります。
これにより「URLの区切り文字としての#」ではなく「文字としての#」をPhoneアプリに正確に届けることができます。
ホーム画面に追加してさらに便利に
作成したショートカットはホーム画面にアイコンとして追加できます。
- ショートカットアプリで対象のショートカットを 長押し
- 「詳細」 をタップ
- 右上の 「…」 → 「ホーム画面に追加」
- アイコン名・アイコン画像を確認して 「追加」
iPhone 15以降をお使いの場合は、アクションボタンにショートカットを割り当てることも可能です。「設定」→「アクションボタン」→「ショートカット」から設定できます。
まとめ:1台で2台分をカバーする運用
MMIコードとiPhoneショートカットの組み合わせで実現できることを整理します。
- 社給スマホにかかってきた電話を自分のiPhoneへワンタップで転送できる
- **21(無条件転送)と **61(無応答時転送)を状況で使い分けられる
- キャリアへの申し込みや月額費用は不要
- SMSは転送されず元の端末に届くため、重要なメッセージの取りこぼしもない
かばんの中の社給スマホを気にしながら過ごすストレスから解放される、シンプルで実用的な運用方法です。設定・解除がワンタップでできるため、必要なときだけ転送をオンにする使い方も手軽に実現できます。
