遠くの戦争は本当に株式買い?
先日、ある証券会社の資料に目が留まりました。タイトルは「銃声が鳴ったら買え」を検証するという趣旨のもの。過去の主要な軍事衝突が発生した後、日経平均やS&P500がどう動いたかをデータでまとめた内容です。
もちろん「今すぐ買いましょう」とは書かれていません。しかし、データの見せ方は明らかに「有事のあとは株が上がることが多い」というメッセージを伝えるものでした。投資家としては、こうした資料を受け取ると「なるほど、ここが買い場なのかも」と思ってしまうものです。
📊 過去のデータが示すもの
資料によると、1950年の朝鮮戦争から2023年のイスラエル・ハマス衝突まで、12の軍事衝突後の株価推移が整理されていました。
たしかに、多くのケースで株価は回復し、むしろ上昇しています。
⚠️ ところが5日後、風向きが変わった
この資料が届いてからわずか5日後。ある経済紙に気になる記事が掲載されました。見出しの趣旨は「”遠くの戦争は買い”が今回は通じていない」というものです。
そして今回の米国・イスラエルによるイラン攻撃では、イランの報復姿勢が強まり、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖リスクが現実味を帯びています。
原油高が長引くことで物価上昇と景気後退が同時進行するリスクが浮上。1970年代のオイルショック・1990年のクウェート侵攻時には、このパターンで日米株式市場が長期低迷に陥りました。
💡 まとめ:判断するのは、やはり自分自身
証券会社の資料が示すデータは事実です。過去の軍事衝突後に株価が上昇したケースが多かったのは間違いありません。しかし、その裏には「原油高を伴えば話は別」という重要な条件が隠れていました。
→ 株価は比較的早期に回復
→ 原油急騰・回復が鈍化
結局のところ、過去のデータは「参考」にはなっても「答え」にはなりません。大切なのは、一つの資料やデータだけで判断せず、複数の視点から情報を集め、最終的には自分自身の頭で考えて決断すること。
投資は自己責任とよく言われますが、それは「放り出される」という意味ではなく、「自分で考える力を持とう」という前向きなメッセージだと私は思います。どんなに優れた分析でも、未来を完璧に予測することはできません。だからこそ、情報を鵜呑みにせず、自分なりの判断軸を持つことが何より大切ではないでしょうか。

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