【2026年】WD Red Plus 価格上昇の背景|NAS用HDDはなぜ高くなったのか
昨年の夏、NAS用HDDの定番「WD Red Plus 6TB」を約2万円で購入できました。ところが2026年2月現在、同じ製品が3万円超え。わずか半年〜1年足らずで約1.5倍の価格上昇です。「なぜここまで値上がりしたのか?」その背景を整理してみました。

購入価格の変化:2万円→3万円超え
スクリーンショットに写っているのは、昨年2025年夏に購入した際の注文履歴です。WD Red Plus 6TB(WD60EFPX-AJP)を¥20,980で購入していました。
2026年2月現在、同製品をAmazonで検索すると¥30,000〜¥33,000前後で推移しています。数量限定セールや瞬間的な値下がりはあるものの、底値がじわじわと切り上がっている状況です。
📌 価格比較まとめ
2025年夏:¥20,980(購入時)
2026年2月:¥30,000〜¥33,000前後
変化率:約+43〜57%
なぜ値上がりしたのか?3つの要因
① AIデータセンターが民生品の供給を圧迫
最大の要因は生成AI・クラウドの爆発的なデータ需要です。ChatGPTに代表するテキストAIに加え、2025〜2026年には高精細な動画生成AI(Soraなど)が普及段階に入りました。動画生成AIが扱うデータ量はテキストとは桁違いで、データセンターのストレージ需要が急拡大しています。
Western Digitalは2026年Q2の決算説明会でCEO自らが「エンタープライズ顧客からの受注で2026年分の生産キャパシティは既に満杯」と明言。大口のクラウド企業との長期契約を優先した結果、民生・SOHO向けの供給が細くなっています。エンタープライズ向けが売上の約89%を占める現在のWDにとって、個人・中小企業向けはあくまで「余り」の位置づけに近い状況です。
② 長期化する円安の影響
HDDはタイやマレーシアで製造され、価格はUSドルベースで決まります。2024〜2025年にかけて続いた円安(1ドル=145〜160円台)が、円建ての実売価格を押し上げました。仮に為替が円高に振れても、上流での需給逼迫が続く限り、ドル建て価格自体が高水準にあるため、円建て価格の大幅な下落は期待しにくい状況です。
③ NAS向けグレードは特に品薄
WD Red PlusはNASの24時間連続稼働に対応したCMR記録方式・耐久設計のHDDです。同じ6TBでも汎用デスクトップ向けより単価が高く、かつ在庫の回転が速い。4K録画・監視カメラ・SOHOのNAS需要が底堅く続いているうえ、データセンター向け大容量ドライブへ工場リソースが優先配分されることで、NAS向け中容量帯の供給が特にタイトになっています。
今後の価格見通し:「すぐには下がらない」
WDのCEOコメントや複数の市場分析を総合すると、2026年中の価格下落は期待しにくいというのが大方の見方です。
- WDはすでに2027年分のエンタープライズ契約を複数締結済み、一部は2028年分まで確保されている
- 動画生成AIの普及でデータ需要は拡大の一途をたどる見込み
- HDD製造メーカーはWD・Seagate・東芝の3社に集約されており、増産には時間がかかる
HDDの価格が落ち着くとすれば、AI投資の一巡やSSDのコスト低下によるHDD需要の一部代替が起きる2027年以降ではないかと見られています。
NAS用HDDの購入、今どう判断すべきか?
価格が上がり続けているからといって「今すぐ買い占め」を推奨するわけではありませんが、近々NASの増設や交換を予定しているなら、待てば待つほど高くなるリスクがある状況です。
- タイムセール・まとめ買いを狙う:Amazonのセール時期(プライムデー・ブラックフライデー)に底値をチェックする
- Seagate IronWolfと比較する:競合製品の価格も同様に上がっているが、一時的な価格差が生じることがある
- クラウドストレージの併用を検討する:バックアップの一部をクラウドに移すことでHDDの増設タイミングを延ばす
まとめ
WD Red Plus 6TBの価格上昇は、生成AIブームによるデータセンター需要の急拡大・円安・NAS向け中容量帯の供給不足という複合要因によるものです。WD自身が「2026年の生産キャパシティは満杯」と認めており、近い将来の価格正常化は見込みにくい状況です。
昨年の夏に2万円台で購入できたのは、今思えばタイミングが良かったと言えます。NASの増設や交換を検討している方は、価格推移をこまめにチェックしながら判断することをおすすめします。

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